BLOG 【かえる日和】

間違いの気概

職業柄テレワークというわけではありませんが、自宅での仕事が増えています。

そんな最中、めったにかかってこない家の電話が鳴り響きました。

休校中で自宅待機の子供たちに電話に出るように騒いだところ、ほどなくガチャンと受話器を置く音が。

あれ?なんだったの?

よくわからないけど、いきなり注文してきた(笑)

ああ、間違い電話ね。

程なく、同じ電話番号と思われる人から再度着信。

「はい、松川ですが」

「あ、あの鳥南蛮一つください」

「・・・あの、どちらへお掛けでしょうか」

なんて感じで良くある間違い電話だったのですが、聞いたところ最後の番号を打ち間違えてしまっていた様でした。

なんか、久しぶりの間違いでした。

電話最近こういうのずいぶん減ったなー、と思いめぐらせてみると、ごくごくあたりまえの答えが思い浮かびました。

最近はネット注文だから。電話番号間違えようがない、というか使わないし、そもそもクリック一発である。

ネットで注文。おそらくAIが決済を含め、注文と手配のおおかたを処理。

お店と配達担当に情報転送。

地図アプリと連動して顧客のもとへスピーディーに届ける為の万全の支援。

関わった皆さん、ミッションが完遂されてハッピー。

お客様もハッピー。

と、昨今は受注システムそのものが、関わる人たちの間違いを起こさないようにすごい勢いで進化しているようです。

かつて、デザインの仕事をしていた時に、直接自分の分野の仕事とは深く関係してこなかったけど、概念として勉強したことがあって、それはフールプルーフという考え方でした。

簡単にいうと、機械などの設計時にそれを使う人たちがうっかり操作ミスをしないように仕向けるデザインを施すという意味になります。

万人がそれを使う場合、効率的に物事を進めるために、簡素化というプロセスを以って、使う人によってなるべく違う解が出ないように仕向けてゆく事でもあります。

誤解を恐れずに言えば、それは約束された成功を手にするための道具であり、個人の力量や経験、習熟度に影響されにくいシステム構築の手法であると言えます。

身近な例でいえば、かなり正確な時間で目的地までの道案内をする地図アプリなんかがそれに該当するのではと思います

間違いの起こらないシステムであれば、その方がいいに決まっています。

とても必要なものであることは疑う余地もありません。

ですが、私はおそらく天邪鬼なのでしょう。

こんなものに慣らされ続けていたら自分がだめになる、と、つい思ってしまうのです。

地図アプリに頼りすぎるのは、約束された成功をトレースするようなもの。

もしこのアプリが無くても同じルートを時間通りに間違わずに再現することは可能でしょうか。

自分がいま求めているのは、間違っても修正できるチカラ、もっと言うと間違いながらも進める力なのです。

ただ、人様に迷惑をかけないことと、危険にさらされることにならない様にだけは気をつけなきゃね。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ページ上部へ戻る