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BLOG 【かえる日和】
5.242020
タフアンドニート
スズキ ジムニーという車をご存じでしょうか。
興味のない方には申し訳ありません、全くもって内容のない話になってしまいます事を最初にお断りしておきます。
簡単に説明すると、ジムニーとは軽自動車ながら本格的な悪路走破性を有した4輪駆動車のことです。田舎では多く見かけることができますので、ご存じの方もいらっしゃるかと思います。
わかりやすい車の形はもはや4WDの普遍的な記号性を有しているとも言え、日本の風景に見事に溶け込んでおります。
そのたたずむ姿は、あぜ道を走る軽トラックに並ぶ美しさを誇るものかと思う次第です。
さて本日は、そんな数あるジムニーの中でもかなり珍しい初期のモデルに出くわしました。
正確には、おおよそ2代目のものになるかと思いますが、40年以上前の今となってはほぼ絶滅種である2ストロークエンジンを搭載しており、古く希少性のある機体であることや、手入れの行き届いたピカピカのボディーから察するにかなりの苦労をされて維持所有してるのではと思われます。
信号待ちで右折してきたその車は、だからと言って特に主張するわけでもなく、難なく日常使いしている粋な身のこなしで交通の流れに乗る姿にはこう思わせる力がありました。
「なんか尊い」、とても尊いものを見させていただきました。
私は、その車に見とれながらしばらく背後を走っておりましたが、自分がミスコースしていることに気づき、あえなくその車列から離脱いたしました。
かつては私もジムニーを永く所有していましたから、なおさらのこと、あの車をあんなにも美しく乗りこなしている様に心を奪われてしまったのかもしれません。
ただ、古い車を所有しているとかならず行き当たるのが、いつまで乗るのかという事とこの車にいくらお金をかけるのだろう。という事です。
現在、私も登録から30年たった軽トラックを所有しています(ただの中古なので30年乗り続けたわけではありません、念のため)
気が付けば、新しい軽トラックを買ったほうが良いのではという岐路に立たされてからもう何年も経っています。
安全面や環境負荷の面でも不安があり、今の車の性能に比べたら同じ道路を使用することに申し訳なさと後ろめたさを感じてしまうこともしかりです。
私の軽トラは、ただ惰性で所有しているだけなので比較にはなりませんが、世の古いものを維持管理されている方の所有物に出会うと、その心意気も含めとても尊いものを見させていただいた気分になるのは私だけでしょうか。
家もその一つになるかと思います。
効率や性能面で言ったら、新築に何年か住んだ後、住み替えたり、生活スタイルに合わせて賃貸を渡り歩くのが賢いやり方だとは理解しています。
ただ、お気に入りの場所を、家族、生活の拠点をしっかりと地に足をつけて造り育てて行く、ということも生活のスタイルの美しさとしては、やはり尊いものだと思ってしまいます。
私はリフォームという仕事を通して、お客様の所有するお宅をその先も快適に過ごせるようにお手伝いさせておりますが、打算だけではなく、大切なこの場所をより良くしたいというオーナ様の気持ちにいつも動かされて今日までやって来た様なものです。
おかげさまで私はそういったお客様とのご縁が多く、いつも大切に住まわれているその心がけというか心意気に刺激を受けながら仕事をさせていただいております。
タフアンドニートとはジムニー発売当時のキャッチコピーです。
当時の意味としてはタフ(tough)=頑丈で、ニート(neat)=こぎれい、小気味良い。という事だったと思います。
タフな仕事で、(お宅を)おしゃれに小気味良く仕立ててゆくというのは私の理想とするところです。
今日、古くて美しいジムニーに出会ったのは偶然ではなく、私にあるべき姿を見せてくれたのではないかと感じる出来事でした。
余談ですが、ニート(neat)という英語表現に触れたのも久しぶりです。
現在のニート:NEET(Not in Education, Employment or Training)と混同してしまうので、今だったらまず使われないコピーですね。
タフに仕事をこなしているのにニートを目指すなんて、なかなか意味が伝わらなくて困っちゃいますね。
さて、今日もタフ&ニートで、元気よくさわやかに仕事をこなしてゆきましょうか。